メニュー

血管の老化について

[2025.09.01]

「人は血管と共に老いていく。」これは、ジョンズ・ホプキンズ大学で近代医学教育の基礎を作ったウィリアム・オスラー博士(William Osler: 1849~1919)の言葉です。時を経て、2024年に、同じジョンズ・ホプキンズ大学の耳鼻科医であり、僕の友人でもあるFrank R. Lin先生の研究チームが、原因が判明している認知症(45%)の中で、中年期から予防ができるリスク因子を次のように述べています;難聴(7%)、高LDLコレステロール血症(7%)、運動不足(7%)、糖尿病(2%)、喫煙(2%)、高血圧(2%)、肥満(1%)、飲酒(1%)。これらの因子は、難聴を除くと、全て血管の老化を促す因子です。難聴も、血管の老化の影響を大きく受けることを考えると、中年期からの認知症予防のカギは、血管の老化の予防が握っていると言っても過言では無いと思います。
 血管の老化は、大きく分けると動脈硬化と毛細血管の機能低下を評価する必要があります。当院では動脈硬化を、両側の上腕と足首の血圧の比から比較的太い動脈の内腔の広さと、拍動の伝わり方の速さの二つの指標から評価しています。拍動の伝わり方の速さは、加齢性難聴の特徴である聴力の高音域(8kHz)の低下と相関すると報告されています。一方、毛細血管の形態については、毛細血管観察用専用スコープを用いて評価しています。毛細血管の形態で、注意するべきは、毛細血管が劣化した状態のゴースト血管です。ゴースト血管は、正常な人の体内で起こると、組織への酸素や栄養素の受け渡しが上手くいかなくなり生活習慣病を始めとする様々な病気を引き起こす原因になります。この概念は、内耳にも当てはまり、毛細血管の機能低下は、めまい、耳鳴り、難聴と深く関係します。ここで、このブログを読んで下さっている皆様にお伝えしたいことは、毛細血管の機能は回復する可能性は、十分あります。しかし、その原因は、それぞれ異なります。めまい、耳鳴り、難聴でお困りの方は、是非、当院を受診して頂き、動脈硬化と毛細血管の機能低下の観点から、めまい、耳鳴り、難聴の治療に関するお話しをさせて頂きたいと思います。

HOME

ブログカテゴリー

ブログカレンダー

2026年3月
« 1月    
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  
▲ ページのトップに戻る

Close

HOME